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著作権と複製権

イラストレーターで漫画家の江口寿史氏が、ファッション雑誌の写真やSNS上の写真をトレースしてイラストを描き、それを自身の作品として企業のポスターなどに使用した疑惑が波紋を広げている。

この問題は、「江口寿史氏トレパク疑惑」などと言われ、モデルでクリエイターの女性が、SNSに掲載していた自身の横顔写真と、江口氏が製作した中央線文化祭の ポスターイラストが酷似していることを指摘したことを発端として、SNSを中心に大きな騒ぎになった。

これをきっかけに、SNS上では、江口氏に、トレパク(トレースとパクリを合わせた造語)されたと思われる雑誌の写真や、SNS上の写真を探すという投稿が増え、指摘する者は「トレパク警察」などと言われている。

江口氏がトレースした元の写真には当然ながら権利があり、モデルが持つ肖像権や、写真を撮影した人が持つさまざまな著作権がある、ここでは著作権の中でも複製権について取り上げる。

江口氏のイラストは、トレパクした写真と殆ど同じであったので、単なる模倣となる可能性が高い。だとすれば、複製権侵害となるのだろうか。

複製権の侵害とは、「既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製するする必要がある」(「ペンギン画像無断改変事件」(知財高判令和1.12.26、令和1(ネ)10048))とされている。

“既存の著作物に依拠したもの”ということは、既存の著作物に接し、その存在及び表現内容を知った上で、それを明らかに利用したということである。そのため、「写真から写真を複製する」といった同じ表現手法だけでなく、「写真からイラストを描いて複製する」のように、異なる表現手法であっても、複製権侵害となる可能性があるのである。

SNSが発達して、誰でも気軽に自分の作品を発表する場が増えたのだが、他人に複製されるリスクも増えたと言える。他人の著作権を侵害しないこと、および、自分の著作権を守ることを考えなくてはいけないだろう。

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