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実演家の権利 ~65年ほったらかされていたアノ権利について~

デパートや商業施設などにいるときに、私たちはBGMを耳にすることがある。
そんな時は、「この曲は、「演奏家Aが演奏したものだな~。」とか、「歌手Bの歌だなあ。」と、実演家の実演そのものにフォーカスして聞いていることが多いのではないだろうか。
しかし、日本の著作権法下では、商業施設で流すBGMについては、作詞家と作曲家には使用料を支払うシステムは存在するが、実演家に分配するシステムにはなっていないのだ。

65年前の条約
この問題を考える時、65年前の1961年のローマ条約(実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約)に遡らなくてはならない。61年のローマ条約では、著作隣接権(著作物を伝える側の権利・例として演奏家や実演家等)を守ることを目的としていた。
この条約を受けて、欧州では加盟国にその保護を義務づける動きを開始し、その他の多くの国においても、レコード演奏・伝達権(許諾権あるいは報酬請求権)が規定されたという歴史がある。
しかしながら日本は、この問題について留保を宣言したまま65年間放置してしまったのだ。

実演家の権利の拡大
2026年に入って、文化庁は、商業施設などで流すBGMの使用料を、歌手・演奏家にも分配するための新たな権利「レコード演奏・伝達権」を導入することを明確にした。ようやく、重い腰を上げ始めたのだ。
そもそも、ローマ条約やWPPT の加盟国も増加していることを考えると日本が「レコード演奏・伝達兼」の規定を設けることを保留していると、不利益を被る可能性がある。
日本には実演家に対する使用料を請求する権利がないのである。

実演家を守る
コンテンツ産業の拡大は日本の経済にとって重要である。産業を活性化させるためには、演奏家や歌手など実演家を守っていくことも大切なことである。作曲家や作詞家といった著作者だけでは、演奏そのものは叶わないわけで、実演家の権利ももっと評価すべきだろう。
日本も「レコード演奏・伝達権」を規定すべく、できるだけ早く動いてほしいものである。

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